外部環境って何?・SWOT分析 【経営改善計画書作成-9<現状把握-⑥>】
現状把握のうち、前回まではSWOT分析の内部環境に関する「強み」と「弱み」の部分でした。
今回は、SWOT分析のうち外部環境である「機会」と「脅威」についてお話いたします。
外部環境とは社外の情勢・変化
外部環境分析は社外の情勢や変化が、自社にどのように影響しているかを分析することです。
また、マクロ環境(社会全体の大きな捉え方)とミクロ環境(業界、顧客、地域など)に分けて考えます。
PEST分析
マクロ環境を分析するのにつかわれる手法としてPEST分析があります。
P(政治的要因)・E(経済的要因)・S(社会的要因)・T(技術的要因)の切り口で考える手法です。
Political
(政治的要因) |
Economic
(経済的要因) |
Social
(社会的要因) |
Technological
(技術的要因) |
・政策 ・規制 ・許認可 ・法規制 |
・景気動向 ・金利 ・為替 ・物価 |
・流行 ・人口動態 ・世論 ・環境 |
・技術革新 ・知財・特許 ・IT ・医療 |
明確に区別して考えるのではなく、あくまでも発想の切り口として考える程度で大丈夫です。
また、自社の経営が苦しい場合、どうしても脅威となる部分に目がいきがちですが、機会となる部分も探すことが大事です。
5Forces分析(5つの脅威分析)
ファイブフォース分析は、企業の競争要因を5つに分類して考えるフレームワークです。
5つの競争要因は
・業界内既存企業との競合
・新規参入企業の脅威
・代替品の脅威
・売り手の交渉力
・買い手の交渉力
にわけられます。
業界内既存企業との競合
業界内での競争要因です。
同業者が多い(供給過多)、成熟産業、高コスト、差別化が困難などの業界では、競争が激化しやすくなります。
新規参入企業の脅威
業界の参入障壁が低い(マネされやすい、コストがかからない)場合、他業種企業の参入を招きやすく、結果として業界内の競争が激化しやすくなります。
代替品の脅威
自社製品と同じ、もしくは低価格かつ高品質の優れた代替品の出現により、自社製品の競争力が低下します。
売り手(供給業者)の交渉力
供給業者の力が強い場合、自社のコスト交渉力や調達力が脅かされ、結果として自社の競争力の低下を招く危険があります。
買い手(顧客)の交渉力
顧客の力が強い場合、低価格での販売や不利な条件での販売につながり、結果として自社の競争売力の低下を招く危険があります。
明確な切り分けがあるわけではないですが、自社に近いことを分析をするので、ミクロ環境(業界、顧客、地域など)の分析が行えます。
5フォース分析は、基本的に脅威の分析となります。
しかし、とらえかたを変えれば機会や強みの発見にもつながります。
こちらも精緻にフレームワーク通りに切り分けることが目的ではありません。
現状把握の整理のため、切り口のヒントとして利用します。
まとめ
外部環境分析を行うための切り口として、PEST分析と5Forces分析を紹介しました。
ネットで検索すれば、数々のフレームワークや手法が存在すると思いますが、すべてを完璧に使いこなすことは困難です。
現状分析の切り口として、「こんな考え方があるのだな」くらいの認識で構いませんので、外部環境分析を行ってください。
改めて分析を行う機会も頻繁にある訳ではないと思いますので、いい機会ととらえてリスケのための経営改善計画の作成に役立ててください。
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次回 自社を知る2つの切り口 【リスケ(返済猶予)のための経営改善計画書作成-10<現状把握-⑦>】
前回 「弱み」の扱い方・SWOT分析 【リスケ(返済猶予)のための経営改善計画書作成-8<現状把握-⑤>】
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末信 公平
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