【過去】企業主導型保育事業公式HPに「今後の募集等について」の案内がありました
企業主導型保育事業とGoogleで検索すれば何かとネガティブな情報しか出てきません。
不正受給や閉鎖などがニュースで取り上げられ、何も知らない人からすればいい印象は受けないでしょう。
多くの企業主導型保育園に取組んでいる事業者は日々真面目に取り組んでいると思います。
しかし、待機児童解消を認可保育園の整備を待っている訳もいかない状況から政府主導で始まった事業ですが、制度設計に粗い部分もあり運営がうまくいっていない事業所や不正受給をしている事業所がいたのも事実です。
今後の企業主導型保育事業の募集等について内閣府から発表がありました
このような状況を受け、公式ホームページにて募集等のお知らせが発表されました。
今後の企業主導型保育事業の募集等について
検討委員会の件は、2018年11月18日付の東京新聞、2018年11月20日付の産経新聞などで報道されていました。
検討中なので平成31年度新規事業の募集時期は未定
発表によると、「審査内容や基準等が変更される可能性があるので平成31年度新規事業の募集時期等も未定」となっています。
”募集時期が未定”との事なので、基本的には企業主導型保育事業の募集はあるのではと考えます。
しかしながら、審査内容をより厳しくして厳選するものと思われます。
平成30年度募集の合否結果はまだ出ていない
2018年10月14日の東京新聞でずさん経営のため企業主導型保育所の閉鎖が相次いでいると報道されました。
このような状況が影響したのか、平成30年度募集は「決定内示書」が10月末に通知されました。
より慎重に審査をしているため決定の内示としているのはわかりますが、ある事業所では未だに決定通知が来ていない状況です。
平成28年度や平成29年度のスケジュールを参考に保育所の整備を考えている事業所にとっては、2月のこの段階でも決定が出ていないことは死活問題になります。
上記の東京新聞の報道にも書かれていますが、助成金の支払いが遅く資金繰りに窮している事業所も多く、財務基盤の弱い事業所にとってはかなりの痛手となっているはずです。
企業主導型保育だから悪いのではない
認可保育園に比べて簡単な審査で、認可保育園並みの助成金が出ているため、どうしても悪いことをしている事業所が出ると叩かれます。
しかし、全ての企業主導型保育事業を営んでいる事業所の質が悪いと一括りにするのは考え物です。
しっかりと営んでいる事業所が大半です。
認可保育園でも問題が起きるときはおきます。
事業の持続可能性はどのように判断するのか
中小企業診断士として、また、日頃から支援先の資金繰りなど財務に関する仕事をしている身からすれば、「事業の持続可能性」をどのように判断するのかが気になる点です。
確かにこれまでの審査では、こちらが心配するほどあっさりした計画書の提出でした。
なので今後はより精緻な事業計画書の提出が求められるものと考えます。
本業でしっかりと収益を出している企業などは優遇されやすいかもしれません。
もう一方で、”お金をたくさん持っていると潰れにくい”と考え、一定の現預金や資産を有している点を重視してくるかもしれません。
しかしその場合だと、すでに儲かっていてたくさんお金を持っている会社しか企業主導型保育事業に参入できなくなります。
すると、従業員の確保や定着率の向上を図って生き残りを図りたい業績や財務基盤のイマイチな企業と、そうでない立派な企業との差がますます広がりかねません。
このあたりのバランスをどのように判断するのか。
平成31年度の募集要項にどこまで記載されるのか注目です。
「事業の持続可能性」は融資のプロである金融機関でも誤ることがあります。
それは、3年後5年後はどのようになっているのかが読みづらいからです。
どのように審査をするのか、誰がするのか、その能力があるのか。
これまでと同じような審査基準で無くなるので、しっかりとした準備ができない事業者は厳しくなるでしょう。
まとめ
既存の認可保育園の許認可のスピードでは保育園の整備が追い付かなかったため、政府主導でスピード重視で進められた事業であることは否定できません。
そのため、質の悪い事業者が紛れ込んでしまいやすい側面があったと思います。
検討委員会の設置を機に、企業主導型保育事業がうまく機能して良い方向に進むことを願います。
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末信 公平
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