起業も事業も成果が出るまで待ち受ける3つの困難
起業も新事業も製品開発も成果が出るまでは山あり谷あり
元々は、研究開発から製品化までの道のりを表したものですが、企業の成長ステージにもイメージしやすい用語があります。
「魔の川」「死の谷」「ダーウィンの海」
と呼ばれるものです。
何やらロールプレイングゲームのような感じですが、成果が出るまでの障害を表しています。
まさにロールプレイングゲームのように、事業化から成果が出るまでの課題を、旅をして目的地に到達するまでの困難に見立てています。
中小企業診断士の企業経営理論と呼ばれる科目で習いますが、初めて聞いた時はイメージがわきやすくいので、とても印象に残りました。
魔の川
一つ目の障害は「魔の川」と呼ばれるものです。
元々の意味は、「研究された技術を製品化までに越えるための障害・困難」となります。
事業化に置き換えると「アイデアから商品化(パッケージ化)するための障害・困難」と言えます。
いくら技術やアイデアを持っていても、実際にお金に換えるためには様々なことを決めたり改良をする必要があります。
お客様が実際にお金を払ってもいいと思うにはどうすればいいのか?
お金を払ってくれる人は事業を継続させるために十分な人数か?
などを詰めていきます。
「誰に」「何を」「どのように」「どこで」「いくらで」
を決めていきます。
また、実行するための資金や人の手当て、物流や生産の要素も検討します。
計画段階でクリアするために越える障害となります。
私の仕事の一つが、この障害をクリアするための計画書策定支援となります。
死の谷
二つ目の障害は「死の谷」と呼ばれます。
元々の意味は「開発された技術を実際に製品化して収益に結び付けるまでの障害・困難」となります。
この段階は、計画に基づいて実際に動き、事業化を達成するまでの障害や困難を指します。
計画を実際に実行して、資金不足にならないように注意を払いながら、事業として黒字化を図る段階です。
モノを作るなら、作る場所の確保や生産設備を導入を行います。
さらに、販売する場所を決めます。サービスの提供も同様に、どこでサービスを提供するかを決めます。
また、モノを作る材料をどこから調達するのか、サービスを提供するための経費をどのように調達するのかも決めていきます。
また、モノを作るにせよ売るにせよ、誰がするのかを決めます。
経営者が一人でするのか、人を雇うのか、雇うならどのような条件で雇うのかなどです。
モノを作ったりサービスを提供するにも資金が必要です。
自己資金で全て賄えるのか、それとも借りるのか、出資してもらうのか、それはいくらなのか、なども決めます。
このように、実際にお金を調達し、必要なものにお金を使いながら収益化・黒字化までの障害や困難に当たります。
「魔の川」の障害よりも「死の谷」の障害の方が難易度が上がります。
実際にお金が尽きるまでに成果を出す必要があり、どこにどれだけの経営資源を振り分けるなど、経営者は多くの決断を下していく必要があります。
また実際に動き出せば想定していた計画と異なることも出てきます。その新たな課題に対して、今度は走りながら考え対策を打つ必要があります。
このように、収益化までにお金が尽きるまでといった制約がある中、新たな課題が次々に噴出したり、人を使う場合はマネジメントの部分にも配慮しながら「死の谷」を乗り越えていく必要があります。
私が計画策定支援だけでなく実行支援に力を入れているのは、自身の会社員時代の経験と、上記のような障害や困難の理由があるからです。
ダーウィンの海
最後の障害は「ダーウィンの海」と呼ばれます。
元々の意味は「事業化されたものをさらに大きな規模にするため(産業化)の障害や困難」となります。
ある地域で上手くいったことを、全国展開や海外進出にまで発展させることと言えます。
さらに多くの収益を得るため商圏を広げることとなりますので、多くの競合との競争が始まります。
はじめは見向きもされなかった事業でも、儲かっているなと他社が思えば参入も増えてきます。
これまでの規模の事業とは異なり、ワンランク上の規模の事業となりますので新たな課題が出てきます。
特にこのステージでは、組織化が欠かせなくなり、これまで経営者の目が届いていたことも届きにくくなります。
いかに仕事を任せられる人材を確保できるかが勝負の分かれ目とも言えます。
また、より大きな発想による意思決定が経営者には求められますので、経営者自身の成長も欠かせません。
これまで以上にマーケティング戦略も求められ、多くの人材をマネジメントする体制作りが不可欠になります。
当事務所では、ワークライフバランス導入を基盤とした組織づくりの支援(ひょうご仕事と生活センターの外部相談員)を行っています。
まとめ
企業の成長には、まさに山あり谷ありという事が言えます。
ただ、全く知らないまま進むのと、あらかじめ、どのようなことに注意を払えばよいのかを知って進むのと、どちらが良いのかは明らかです。
事業に失敗をしても命を取られることはありませんが、同じ失敗でも次に活かすことのできる失敗にした方が良いに決まっています。
また、致命傷を負わない失敗で済めば再チャレンジできます。
これらの支援をすることが当事務所の仕事です。
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末信 公平
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