台風で売り上げが減少した兵庫県内で1年以上事業を営む事業者向け融資
兵庫県経営円滑化貸付(災害対応貸付)
兵庫県内では7月の豪雨、8月の台風20号、9月の台風21号と災害に見舞われました。
上記の災害を受け、兵庫県内で事業を営む中小企業者及び組合等向けに兵庫県融資制度・経営安定融資の「経営円滑化貸付(災害対応貸付)」が2018年(平成30年)9月18日に発表されました。
豪雨や台風の影響で被害を受けた、売上が減少したため資金繰りが厳しくなっている等の場合、保証協会の別枠として融資を受けることができます。
※金融機関、保証協会の審査がありますので、融資を受けられない場合があります。
[2018.10.19追記]
確認したところ保証協会の別枠保証ではありませんでした。
大変失礼しました。
金融機関の方でも情報が錯そうしていたようです。
別枠保証はこちらの方になります。
セーフティネット保証制度(4号:突発的災害(自然災害等))
次のいずれにも該当する中小企業者が措置の対象となります。
- 申請者が、下記の指定を受けた地域において1年間以上継続して事業を行っている。
- 下記の指定を受けた災害等の発生に起因して、その事業に係る当該災害等の影響を受けた後、原則として最近1か月間の売上高又は販売数量(建設業にあっては、完成工事高又は受注残高。以下「売上高等」という。)が前年同月に比して20%以上減少しており、かつ、その後2か月間を含む3か月間の売上高等が前年同期に比して20%以上減少することが見込まれます。
(参照:中小企業庁HP)
融資対象者
平成30年7月豪雨・平成30年台風第20号・平成30年台風第21号の影響を受け、
①県内で事業を営む中小企業者及び組合等で、県が指定する災害により、事業所等に床上浸水または半壊以上の被害を受け、市町が発行する「り災証明」を有する方
※床下浸水または一部損壊でも、事業用資産(機械、原材料、商品等)に被害を受けたことを証明する「被災証明書」を有する場合は、利用可能
②県内で1年以上同一事業を営む中小企業者及び組合等で、県が指定する災害により影響を受け、最近1か月間の売上合計高等が前年同期に比べて5%以上減少している方
※「最近1か月間」は、平成30年7月から平成30年10月のいずれか1か月間を指します。
融資条件①事業所等に床上浸水または半壊以上の被害を受け、市町が発行する「り災証明」を有する方
融資限度額:2.8億円
融資利率:1~3年目 無利子 4年目以降:年0.4%(固定)
融資期間:10年以内(うち据置2年以内)
資金使途:災害復旧に必要な設備資金及び運転資金
担保・保証人:保証協会または金融機関の定めるところによる(第三者保証人不要)
信用保証:原則不要
受付期間:平成30年9月25日(火)申込受付分から平成31年3月29日(金)融資実行分まで
融資条件②最近1か月間の売上合計高等が前年同期に比べて5%以上減少している方
融資限度額:1億円
融資利率:年0.4%(固定)
融資期間:10年以内(うち据置2年以内)
資金使途:運転資金
担保・保証人:保証協会または金融機関の定めるところによる(第三者保証人不要)
信用保証:原則不要
受付期間:<台風20号・21号>平成30年9月25日(火)申込受付分から平成30年11月30日(金)融資実行分まで
※7月豪雨分は受付期間が終了しました(平成30年9月28日融資実行分まで)
申込先
県制度融資の取扱金融機関
※ 県内のほとんどの金融機関が県制度融資を取り扱っています。
銀行:三井住友、三菱UFJ、りそな、みずほ、但馬、伊予、池田泉州、百十四、山陰合同、京都、四国、中国、阿波、山口、広島、南都、近畿大阪、みなと、関西アーバン、徳島、大正、トマト、三井住友信託
信用金庫:尼崎、姫路、日新、兵庫、神戸、播州、淡路、西兵庫、但陽、中兵庫、但馬、北おおさか、鳥取、大阪、日生
信用組合:兵庫県、淡陽、大阪協栄、兵庫ひまわり、近畿産業、兵庫県医療
商工組合中央金庫
農業協同組合
※上記金曜機関の兵庫県内に店舗に限る
※一部の金融機関では、取り扱っていない場合もある
問合せ先
詳しくはお取引先の金融機関ご担当者、または
兵庫県産業労働部産業振興局地域金融室 078-362-3321、最寄りの県民局・県民センター商工労政担当課
にお問い合わせください。
注意点
「融資条件②最近1か月間の売上合計高等が前年同期に比べて5%以上減少している方」に該当しそうな場合は、平成30年11月30日(金)融資実行分までが該当します。
融資実行が11月末までなので、どんなに遅くても11月中旬には申し込みを済ませておく必要があります。
そのためには前年同月に比べ売り上げが減少している照明を行う必要があります。
普段から試算表の作成や売上管理がきちんとできていない場合は急ぎ資料を用意しましょう。
いざと言う時速やかに動くためにも、毎月の試算表などを準備することが大事です。
災害時における資金調達
近年は全国各地で災害が頻発しています。
中小企業では借入金を目いっぱい借りている場合も多く、手元資金も潤沢に保有している訳でもないことが多いと思われます。
そんな時は国の施策を活用して資金調達を行うことが可能です。
通常のセーフティネット保証制度(4号:突発的災害(自然災害等))であれば、前年同月に対して20%以上の売上減少が要件となります。
しかし今回の兵庫県の精度は、前年同月に対して5%以上の減少と条件も緩和されており多くの中小企業が対象となります。
台風の影響で売り上げが減少している事業者の方は、一度検討してみてはいかがでしょうか。
まとめ
国や県などは、中小企業に対して補助金・助成金、融資など様々な施策を用意しています。
しかしながら、その数が多くどれを利用すれば良いかなどがわかりにくいと思います。
適切に情報を提供してくれる金融機関や士業と懇意にしておくことで、「知っている人だけが得をして、知らないと損をする」ことを回避できます。
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末信 公平
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