大卒でなくても中小企業診断士試験に独学で合格

2021年の中小企業診断士試験1次試験が間もなく始まります。
例年ですと8月第1週あたりの土日ですが、今年はオリンピックの影響でずれた様です。
私が初めて一次試験を受験した2014年は、台風の影響で電車が止まるのではないかと思うくらい川の水が増水していたのを思い出します。
合格した2016年に受験した一次試験は、蒸し暑かった記憶もありますが、あまりの難しさに不合格を覚悟してトボトボと帰宅したのを覚えています。
現在、合格をしてから5年が経とうとしており、また、中小企業診断士として2017年4月に独立をしてから丸4年が経ち、5年目に突入しています。
私は大学に進学をせず、いや、進学できる学力がなかったので専門学校に進学しましたが、独学で中小企業診断士の試験に合格することができました。
5年目という節目でもあるので、初心に帰るべく、当時の受験時代を振り返ってみたいと思います。
勉強方法は人それぞれなので、私がお話しする方法通りに勉強すれば合格するものでもありませんが、この記事を読んでみて参考になる部分があれば幸いです。
資格★合格クレアール
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独学で中小企業診断士に合格すると決意
資格試験にせよ大学受験にせよ、多くの人は受験校や予備校に通うと思います。
大学受験であると、予備校に通ったほうが合格する確率も高くなるのでしょう。
私は予備校に通ったことは無いですが、受験テクニックなるものを教えてもらったり、学校の先生よりわかりやすく教えてくれたり、共通の目標を持つ者が一堂に会しますので、モチベーションも保ちやすいのかもしれません。
ですが、私にとって講義を受けながら資格試験を勉強することは選択肢としてありませんでした。
1次試験はマークシートなので過去問暗記で乗り切れると考えた
中小企業診断士試験の勉強を始めたのが2013年9月の下旬です。
まずは中小企業診断士の1次試験とはどんなものなのかを知るため、直近の試験問題をプリントアウトして、とりあえず全科目解いてみました。
半分以上問題の理解もできず、自身をもって答えることができた問題もほとんどありません。
結果は700満点中300点くらいでした。
もともと経理が得意なので、財務会計はそこそこ点を取ることができましたが、その他の科目はあてずっぽうです。経済学なんて、生まれてこの方勉強をしたこともありません。
それでも40%は取れたので、「勉強をしっかりすればいけるんじゃないか?過去問暗記で乗り切れるのではないか?」と楽観的に考えました。
ファイナンシャルプランニング技能士2級の受験での経験
中小企業診断士試験の受験を考えた2年前に、FP2級に合格していました。
FPは3級、2級と順を追って合格しました。実は同じ時期に妻も3級2級と合格しています。
これまで勉強といえば、「教科書を読んでノートにまとめて、問題集に取り組んで試験に臨む」と思い込んでいましたので、私は早起きをしてFP3級の勉強に励んでいました。
一方妻は、試験2日前までほとんど勉強をしていません。パラパラとテキストを読んだくらいです。2日前になってようやく過去問を解き、前日に同じ過去問を解いて試験を受けました。
結果は、妻だけ合格・・・
FP3級とやさしいはずの試験なのに、早起きして勉強をしていた私が不合格で、実質2日くらいしか勉強をしていない妻が合格。
この時の悔しさと言ったらいまだに忘れられません。
が、同時に「マークシート試験の勉強というのは、過去問からすることなのか」と衝撃を受けました。知っている人にとっては当たり前でしょうが、ろくに大学受験の勉強をしていない私にとっては、目からうろこの出来事でした。
そこで再受験のFP3級は「過去問を何度も解く」、「わからなければテキストで確認をする」ことで、あっさりと合格できました。
FP2級も同じ戦法を取り、ほとんど勉強時間を費やさなくても合格することができました。
中小企業診断士試験も1次試験はマークシートなので、同じ方法で対応できるはず。
との仮説をもとに、1次試験の受験方針を決めました。
勉強にコストをかけたくない
当時勤めていた会社が、いよいよ業績も怪しく、いつ倒産するのかわからないような雰囲気になっていました。そのこともあり中小企業診断士試験を受験する動機にもなったわけですが、給与も上がらず、賞与もほとんどないような状態なので、できるだけコストをかけたくありませんでした。
ましてや前年に子供が生まれたばかりなので、これから養育費も増えていくと考えられますので、勉強にお金をかけることは極力避けようと思いました。
独学での勉強開始1年足らずで中小企業診断士1次試験合格
9月の下旬から中小企業診断士1次試験の勉強に着手し、毎日毎日、通勤電車の中でも、会社帰りのコーヒーショップでも、ひたすら過去問だけを、何度も何度も繰り返し解きました。
わからなければテキストを読む。それでもわからない経済学は、漫画でわかる入門書を何度も読みました。
はじめての受験である2014年は、7科目を一括受験したことも功を奏して、合格ギリギリの423点で合格しました。
残念ながらその年の2次試験は不合格となり、翌年もまた2次試験が不合格であったため、2016年にもう一度一から1次試験を受けなおすこととなりました。
例年になく難しい2016年の1次試験でしたが、こちらも7科目を一括受験したことが功を奏して、ギリギリの421点で合格しました。
2016年はあまりにも難しかったのか、
合格基準は、本年度の得点水準を勘案し、「総点数の59%以上であって、かつ、1科目でも満点の40%未満のないこと」としました。また、「経営情報システム」については、本年度の得点水準を勘案し、受験者の得点に4点を加算しました。
と、本来総得点の60%以上が59%以上に引き下げられ、かつ経営情報システムに4点が加算されました。それでも試験合格率は17.7%となかなか低い結果でした。
「ふぞろいな合格答案」で中小企業診断士2次試験合格
中小企業診断士2次試験は、記述問題です。
与件文と呼ばれる、ある会社を想定して書かれた文章を読んで、100字~300字程度で回答を書きます。
さすがに丸暗記というわけにはいかず、都合3回の受験となりました。
合格するまでは「どこをどうすればいいのか」「正しい解答はなんなのか」、と何とも言えない霧のかかった道を進むような感じでした。
過去問の模範解答も受験校によって異なります。
ということは、「公式な模範解答が開示されていないので、誰にも正解はわからない」と考えました。
合格した人たちが、好き勝手にあーだこーだと言っているように思えましたので、「○○すれば合格」「○○メソッドで合格」と呼ばれるものに信用ができず、2次試験も受験校に通うことはやめました。
その代わり、過去の受験生の再現答案から過去問を分析する「ふぞろいな合格答案」の書籍に絞り、勉強することにしました。
この書籍は、その年に合格した人々が有志となり、全国から送られてくる再現答案(本番で回答した答案は提出するので、記憶が残っているうちに受験生が答案を再現したもの)をキーワード分析に絞り、統計を取って、その年の受験問題に対して考察を行い、模範解答を示すものです。
ここでも最も大事にした教材は過去問となります。
独学で受験したことは開業後にメリットとなった
結果的に勉強を始めて4年、3回目の受験である2016年に合格することができました。
4年間の総勉強時間は2000時間。
時間がかかった方かもしれませんし、もっと時間がかかった人も多く知っています。
結果としては、独学で中小企業診断士に合格することはできた、ということとなります。
運も良かったと思いますし、家族の支えや独学と言えど助けてもらった人もいたおかげと思います。
独学をしてきてよかったと思うのは、「自分で仮説を立てて、それに取り組んで、結果を受けて修正をして、またチャレンジをする」ことをやり遂げることができたことです。
よく「PDCAサイクルを回しましょう」と言われますが、まさに取り組んだことはPDCAだったと思います。
そして、その経験は独立したときに役立ちました。
独立をすれば、経営者となります。
会社員と違い、もう誰も指示をしてくれませんし、助けてもくれません。
自分で考えて方針を決め行動に移さなければ何にもなりませんし、助けてほしければ仲間を自分で探さなくてはいけません。
独学を通じて、「自分で仮説を立てて、それに取り組んで、結果を受けて修正をして、またチャレンジをする」そして、合格をして一定の結果を達成できたことは、すくなからず自信になりました。
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末信 公平

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