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【融資】お金を借りるならどこがいい?金融機関4つの分類と特徴
融資を受けるとき、一般的には「銀行にお金を借りよう」となります。
銀行と呼ばれるのは、金融機関の種類の一つです。
金融機関は大きく4つに分類され、特徴も異なります。
それは普通銀行、信用金庫、政府系金融機関、信用保証協会です。
金融機関の数自体は減少傾向が続いています。
預金保険対象金融機関数の推移(預金保険機構HPより)
金融機関は根拠法により4つに分類される
金融機関は、個人や企業からお金を集めて、必要な人にお金を貸す。貸し付けた利息を収入源として、事業を営む。
基本的な業務は同じですが、その根拠法により業務内容が異なります。
また、金融機関により融資姿勢など違います。
根拠法による分類
普通銀行
(都市銀行・地方銀行) |
信用金庫・信用組合 | 政府系金融機関
(日本政策金融公庫・商工組合中央金庫 など) |
信用保証協会 | |
根拠法 | 銀行法 | 信用金庫法(信金)
中小企業等協同組合法(信組) |
株式会社日本政策金融公庫法
株式会社商工組合中央金庫法 など |
信用保証協会法 |
営業拠点 | 全国 | 各県などの地元地域 | 全国 | 各県ごとに設立 |
融資対象 | 全国の企業 | 地域に登記をしている企業 | 全国の企業 | 市中銀行の借入を保証 |
都市銀行
三大メガバンクである三菱東京UFJ銀行や三井住友銀行、みずほ銀行、その他りそな銀行も含みます。金融庁の発表では4行です。(2021年5月1日現在)
1968年での諮問の審議にて、「普通銀行のうち、6大都市またはそれに準ずる都市を本拠として、全国的にまたは数地方にまたがる広域的営業基盤を持つ銀行」と定義されました。
当時都市銀行に分類されたのは、第一銀行、三井銀行、富士銀行、三菱銀行、協和銀行、日本勧業銀行、三和銀行、住友銀行、大和銀行、東海銀行、北海道拓殖銀行、神戸銀行、東京銀行の13行でした。現在は合併を繰り返し4行になっています。
都市銀行の特徴としては、大企業から中規模企業を中心に融資を行います。しかしながら、最近では貸出先がないのかこれまでは相手にしてこなかった小企業でも融資を行っています。
圧倒的な資金調達力で、低金利での貸し出しが可能です。反面、資金の引き上げも早く、ドライな付き合いとなりがちです。
企業自身が優良な間は良い関係を保てますが悪化を始めると、よほどの企業でない限り融資の協力に応じてもらえなくなります。
事業規模が小さいうちは、無理して都市銀行に融資を依頼する必要はないでしょう。
地方銀行・第二地方銀行
金融庁の発表では、地方銀行は62行、第二地方銀行は37行あります。(2021年5月1日現在)
地方銀行とは全国地方銀行協会の会員となっており、主に各都道府県に本店を置き、近隣の地域に営業を展開しています。
第二地方銀行は第二地方銀行協会の会員となっており、比較的地方銀行より規模が小さいなどです。
設立など、沿革が異なる点でわかれていますが、ともに普通銀行であり、業務内容が異なるわけではありません。
ちなみに当社のある兵庫県の地方銀行は但馬銀行、第二地方銀行はみなと銀行ですが、但馬銀行は本店が兵庫県豊岡市、みなと銀行は兵庫県神戸市と第二地方銀行が県庁所在地にあります。
また、事業規模も但馬銀行(預金11,270億円、貸出金9,099億円)より、みなと銀行(預金36,951億円、貸出金29,074億円)のほうが大きい(令和3年3月末時点)です。
地方の衰退による貸出先減少もあり、合併や統合により事業継続を図っています。
平成時代に入り徐々に数を減らしており、近年は国の意向もあり減少が加速しています。
規模や店舗展開など、都市銀行のようなところから信用金庫などに性質が近いところまで様々です。
神戸では、みなと銀行のほうが都市銀行寄り、但馬銀行のほうが信金寄りな印象を受けます。
事業規模の違いがあるため、ターゲットとする貸出先やノルマの設定が異なるからではないかと推測します。
特徴としては、都市銀行と信用金庫・信用組合の中間と言ったところです。
信用金庫・信用組合
金融庁の発表では信用金庫は255金庫あります。信用組合は145組合あります。(2021年2月3日現在)
信用金庫・信用組合の特徴としては、営業拠点を地元地域と制限されていますので、基本的には地域密着型の経営です。
相対的に規模が小さい分、貸出金利は都市銀行、地方銀行には及ばない部分もありますが、密なコミュニケーションで企業を支える姿勢を示します。
地域密着型のため、中小企業や小規模事業者、個人事業主は信用金庫や信用組合から融資をスタートさせるのが良いでしょう。
貸出額が小さくても、都市銀行や地銀よりも応じてもらいやすいです。
地元密着の地元の金融機関なので、地元企業との関係性を重視し、比較的柔軟に対応してもらえます。
政府系金融機関
政府系金融機関は全部で5つあります。
日本政策金融公庫、国際協力銀行、沖縄振興開発金融公庫、日本政策投資銀行、商工組合中央金庫、です。
中小企業や小規模事業者、個人事業主が取引する主な政府系金融機関は、日本政策金融公庫と商工組合中央金庫になります。
政府の政策に応じた貸出プランが作られます。
市中の金融機関よりも比較的融資を受けやすいです。
創業や開業を考えている場合は、日本政策金融公庫に融資を申し込むことから始めるのが良いでしょう。
信用保証協会
信用保証協会だけは、少し立ち位置が異なる金融機関です。
信用保証協会とは、簡単に言え金融機関から借りる際、お金を払って保証人となってもらうことで、融資を受けやすくなるための機関です。
「信用保証協会」は、中小企業・小規模事業者の皆さまが金融機関から「事業資金」を調達する際に、保証人となって融資を受けやすくなるようサポートする公的機関です。
全国各地に信用保証協会があり、各地域に密着して業務を行っています。
「信用保証制度」は、中小企業・小規模事業者、金融機関、信用保証協会の三者で成立しています。(全国信用金庫連合会HPより)
金融機関との取引が浅い中小企業・小規模事業者の方が融資を受けようとすると、「信用保証協会」の保証を求められることもあります。信用保証協会が保証をしている融資は「保証付融資」と呼ばれています。
「保証付融資」では、万が一、借主の返済が滞った場合に、借主に代わって信用保証協会が金融機関に「立て替え払い」を行います。なお、保証をご利用いただく対価として、中小企業・小規模事業者の皆さまに所定の信用保証料をお支払いいただきます。
(全国信用金庫連合会HPより)
銀行や信用金庫などの金融機関から融資を受ける際、保証協会付き融資となる場合は保証料を払って融資を受けることとなります。
その時に、事業者と保証協会が出会うことはほとんどありません。
金融機関の担当者と保証協会の担当者で融資の可否について協議をしています。
そのため、事業者にとっては信用保証協会が金融機関の一部であることを忘れがちですが、条件変更による借入金のリスケの時には信用保証協会の同意も必要となります。
保証協会は各都道府県にあり、保証の姿勢も各都道府県で異なるようです。
まとめ
一口に金融機関と言っても、様々なタイプに分けられます。
また、地域や支店により方針も若干異なりますので、各金融機関の特徴をつかみバランスよく取引をされるのが良いと考えます。
自社にあった金融機関との取引は、事業の成長に欠かせないと言えます。
中小企業診断士/ファイナンシャルプランナー/全経簿記上級
中小企業3社(食品製造・アパレル)で約20年間財務経理部門を担当。2017年に中小企業診断士として独立。2020年株式会社ノーティカル設立。
事業計画・資金計画の立案から金融機関折衝や資金調達、計画実行支援を中心に、経営改善や新規事業支援を行う。
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