【過去】経済産業省「平成30年度第二次補正予算案」が閣議決定しました
2018年12月21日に、平成30年度第2次補正予算案が閣議決定しました。
PR資料が公開されていますので、中小企業に関係のありそうな補助金について昨年度の予算と比較しながら紹介をしていきます。
平成30年度第2次補正予算案 中小企業生産性革命推進事業
今回のPR資料で特に目を引くのが「中小企業生産性革命推進事業」です。
これまでは「ものづくり・商業・サービス経営力向上⽀援事業」「小規模事業者支援パッケージ事業」「サービス等生産性向上IT導入支援事業費」と3つの事業に分かれていたものが一つにまとめられています。
しかも名称に”革命”をつけていますね。
個別事業を見ますと「ものづくり・商業・サービス経営力向上⽀援事業」と「サービス等生産性向上IT導入支援事業費」は昨年と同じです。
しかし「小規模事業者支援パッケージ事業」は「小規模事業者持続的発展支援事業」と少し名称が変わっています。
中小企業生産性革命推進事業の予算総額1,100億円
中小企業生産性革命推進事業の予算総額は1,100億円となっています。
昨年度は3つの事業合計で1,620億円でしたのでおおよそ2/3となっています。
恐らく減額幅が大きいのは、予算の消化率が悪かったサービス等生産性向上IT導入支援事業になるでしょう。
今回は3つの総額なので内訳がどのようになるのかがまだわかりません。
ものづくり・商業・サービス経営力向上⽀援事業
補助上限額:1,000万円、補助率1/2
PR資料の内容からは、昨年度の内容と大きく変わっていないようです。
先端設備導入計画、経営革新計画の承認を取得している場合は補助率が2/3となっているます。
採択率を上げるためには必須項目かもしれません。
昨年度の1次募集では、先端設備導入計画を受ける意思があるかないかが採択に大きく影響を及ぼしていたようです。
小規模事業者持続的発展支援事業
補助上限額:50万円、補助率2/3
こちらの補助金も大きく変わることはないのではと思います。
成果目標の内容も「20,000者の販路開拓及び生産性向上を支援し」と記載されており平成29年度補正予算と同じ内容なので、予算額もほぼ同等になるのではと思います。
平成30年4月募集の補助金は採択率が高かったので、今回も狙い目かもしれません。
販路開拓を考えている小規模事業者の方は、今から準備をして補助金申請に望みましょう。
サービス等生産性向上IT導入支援事業
補助上限額:450万円、補助率1/2
今回大きく変わるのがこのIT導入補助金と思います。
補助上限が50万円から450万円に一気に引き上げられています。
50万円では導入に踏み切ろうとする事業者が少なかったようです。
しかし、3つの事業の総額が前回より500億円ほど減らされていますので、IT導入補助金の採択率はこれまでと同じようにはいかないかもしれません。
申請方法が前回同様にIT事業者を通じてとなると、計画の内容を審査して複数回募集をかけるのか、採択率はこれまでと同様にして1次募集だけで締め切るのかわかりません。
IT事業者の方にとっては大きなビジネスチャンスとなるでしょう。
逆に導入側は、補助金の多さに目を奪われて割高や不必要なシステムの導入にならないように注意する必要があります。
募集時期は昨年と同じ時期となると予想
政権が変わらない限り、大きく事業内容が変わることはないでしょう。
国会の承認を経て事業がスタートしますので、国会を問題なく通過すれば昨年度同じ時期の募集となります。
ちなみに昨年度の募集時期は
平成29年度補正予算「ものづくり・商業・サービス経営力向上支援補助金」平成30年2月28日(水)~平成30年4月27日(金)
平成29年度補正予算「小規模事業者持続化補助金」平成30年3月9日(金)~平成30年5月18日(金)
平成29年度補正「サービス等生産性向上IT導入支援事業」一次公募平成30年4月20日(金)~平成30年6月7日(木)
補助金は事前準備が重要ですので、事前に課題と克服方法を考えて補助金が行かせそうであればチャレンジしてみましょう。
補助金目当ては意味がない
補助金の活用は、あくまで課題解決のためのツールに過ぎません。
たまにお金欲しさに募集をする事業者を見かけますが、全く意味がありません。
何度も言いますが、課題解決になっている場合のみ補助金を活用しましょう。
経済産業省系の補助金は全額助成するものではなく、補助率がおおよそ1/2~2/3なので必ず支出が生じます。
また、補助金がなくては投資が回収できないような計画はそもそも厳しいと言わざるを得ません。
補助金が無くても効果が出る計画で、なおかつ補助金を活用して浮いたお金を他の投資に振り向けるのが正しい使い方と考えます。
必要のないものを購入するほどバカバカしいことはありませんので、必要のないものはきっぱりと断りましょう。
当事務所も課題解決にならない場合は、補助金申請支援をお断りさせていただいております。
まとめ
補助金については良い面と悪い面があります。
良い面で言えば、課題解決につながれば費用を抑えるだけでなく収益向上も見込めます。
悪い面で言えば、補助金を活用している企業とそうでない企業に差が出てきます。特にものづくり補助金は、補助金を活用して最新設備を更新できている事業者とそうでない事業者の差が出る側面が大きいのではと思います。
また補助金をもらったことによって支出が抑えられているため、計画実行が甘くなりがちです。
とは言え、課題解決になるために補助金の活用は有効です。
投資を行わなければ事業は衰退していきますので、課題解決に補助金を活用して収益を向上させましょう。
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末信 公平
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