外部の専門化を活用して成長を加速させよう
外部の専門家を利用する3つの利点
企業経営において、効果が出る場合とむしろ害を及ぼす場合に分かれる外部専門家の利用。
使い方がわかれば効果をだせるのはどんな道具も同じです。
包丁だって正しく使えば便利な道具ですが、間違って使えば逆にケガをしてしまいます。
包丁と同じように、外部の専門化を使うメリットを知れば、どのように自社で活用できるかがわかります。
ここでは、中小企業、個人事業主が外部の専門化を使うメリットをまとめてみました。
時間の削減
中小企業、個人事業主は数少ない人数で事業を行う場合がほとんどです。
少ない人数でいかに効率よく仕事を進めるか?
時間を有効に使う重要度は小さな会社ほど増していきます。
慣れない社員が、もしくは社長自らが経理や労務手続きをすると時間がかかってしまいます。
また、正確かどうかがわかりません。
なので多くの会社では税金の計算は税理士、煩雑な労務手続きは社労士に任せます。
これも立派な外部の専門化を使うメリットです。
私の場合は中小企業診断士として、マーケティング、生産管理、財務経理などを総合的に勘案しながら戦略をまとめること、資金繰り改善の専門家となります。
融資やリスケ(借入金の返済猶予)、補助金の申請時には経営計画書が必要となります。
経営者の方が作成するのは大変ですので、そんな時に利用してもらうことが想定されます。
また、専門的な事を学び覚えるのにも時間がかかります。
いっとき、その道のプロになるには1万時間かかるとも言われてました。実際にそんなに時間がかからなくても数百時間、数千時間かけて身につける必要があることも事実です。
また、それだけのことを繰り返し仕事としてすれば経験値が貯まります。
本業の仕事がありながら別の分野を習得するのは容易なことではなく、習得に費やせる時間もなかなかありません。
そんな時は、必要な技能をもつ人に任せます。
すると習得に必要な時間を節約することになります。
外部の専門化を使う一つ目のメリットは「時間の削減」です。
第三者の視点を得れる
ずっと同じ業界で仕事をしていると、往々にして視野が狭くなりがちです。
社長、従業員とも長年その業界で仕事をしていると「業界の常識」に発想が縛られます。
新たな発想をするには多様な意見をぶつけ合うことが必要です。
しかし、自社内だけで会議を重ねてもなかなか上手くいかないのは「業界の常識」の範囲で考えるからです。
そんな時は、「業界の常識」を知らない人を入れて第三者の視点を得ることが有効です。
色々な業種と取引や関係がある人は第三者の視点を得るのにうってつけと言えます。
第三者と議論をすることで発想が広がります。
するとこれまで自分達だけでは気づかなかったことに気づくことができます。
自社の強みは外部の人に指摘されて初めて気づくといった事も多いものです。
実際、お仕事で色々な経営者の方とお話をさせてもらいますが「全く気付かなかった」「新たな発見があった」「考えていることの整理ができた」など言ってもらえることが多いです。
改めて考え指摘を受けることで、客観的に考えれるようです。
外部の専門家、コンサルタントを入れる二つ目のメリットは「第三者の視点を得れる」ことです。
コストが抑えれる
外部の専門家、コンサルタントを入れる三つ目のメリットはズバリ「コストが抑えられる」です。
「時間の削減」にしても「第三者の視点を得れる」にしても、自社の人員や経営者自らだけでできれば追加コストはゼロです。
なので多くの企業は外部の専門家の利用を行いません。
自社でできることは自社でする。
これ自体は決して間違った考えではないと思います。
しかし、経営課題の解決が必要なのに積極的に外部の専門化を利用しようとする中小企業、個人事業主はまだまだ少数です。
理由としては、「効果が定かでないのに余分な出費ができない」ということでしょう。
ただ、経営課題が解決していない場合、特に資金繰りが苦しい等の場合は速やかに経営改善を図ったほうがコストメリットが出ます。
いつまでも改善できなければ、お金は外部に流出しています。それだけ「稼ぎそこなっている」と言えます。
「稼ぎそこなっている」をやや強引に言えば「余分な出費をしている」とも言えます。
もうひとつは、「人一人を雇うより結果安くすむ」です。
仮にそれなりの能力の人材を採用しようと思ったら、人件費(法定福利費等込み)として年間500万円~600万円は必要でしょう。
さらに採用するにもお金がかかります。
それなりの人材がハローワーク経由で見つかれば採用費はかかりませんが、通常は求人広告を出したりや人材紹介会社に紹介してもらわないと難しい状況です。
仮に人材紹介会社経由で採用すると100万円~150万円はかかります。紹介料はだいたい月収×3ヵ月なので、仮に月40万円で雇えば120万円支払うことになります。
もっと言えば、正社員として雇用した場合は簡単には解雇できません。
ダメだった場合に、「すぐに首を切れないリスク」を抱えることになります。
外部の専門化を課題解決に合わせて利用した場合、中堅コンサルタント会社で月額50万円以上します。
一見すれば高く感じますが、期間を区切って利用することができますし、望んだ成果が出ていないと感じた場合は解約することもできます(違約金は発生するでしょうが)。
トータルで考えた場合、かえって安上がりと言えます。
稼ぎそこなっている金額、人一人雇うより安く済むことを合わせれば、トータルとして「コストを抑えられる」と言えます。
まとめ
外部の専門化をうまく利用すれば企業の成長は早まるでしょう。
しかし、なんでもかんでも外部を利用すれば良いというものではありません。
まずは自社の課題の解決に結び付くか?
が大事です。
足りない資源(時間・能力)を、うまく外部資源(専門家)の活用をしながら経営することが中小企業、個人事業主にとって重要となります。
成長のスピードが遅い、経営基盤が弱いなどの場合、競合に後れをとることにもなりかねません。
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末信 公平
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