年末の資金繰りを確認する
世間ではクリスマスツリーも見かけるようになり、年末までもう少しという感じがしてきました。
すでに多くの企業では年末の資金繰り対策をとられていると思いますが、まだの場合は早急に3か月分の資金繰りを確認しましょう。
年末の資金繰りを確認する
年末特有の資金需要に注意
年末特有の資金需要として、
- 年末商戦(クリスマス・正月)に向けた需要の増加
- 冬季賞与の支払い
- 年末調整還付金の支払い
などがあります。
色々と物入りな時期なうえに、需要の増加により仕入も増えていて資金需要を圧迫します。
向こう3カ月の資金繰りを確認して、万が一足りなくなるようであれば融資の申し込みが必要です。
売掛金の回収に目を光らせる
年末が近づくにつれ、多くの企業は資金需要が増しますが、それは取引先にも同じことが言えます。
あてにしていた売掛金が入金されない事態に陥ってしまったら、自社の資金繰りの予定が狂ってしまいます。
普段から回収に目を光らせている企業ほど取引先も優先に支払ってきます。
この時点で約束通り入金されていない売掛金がある場合には、しっかりと払ってもらうように確認をとりましょう。
在庫の処分をあらかじめ考えておく
年末の資金繰りを乗り切ったとしても、年明けからの資金繰りにも注意を払う必要があります。
特に年末商戦に当て込んだ在庫が思うように売れなかった場合、急に資金繰りを圧迫し始めます。
在庫の処分を優先にして現金化するのが一番と頭でわかっていても、「もう少しまてば普通に売れるかも」「損失は出したくない」などといざその場面になれば迷ってしまうことも多いです。
そして、その積み重ねが経営を圧迫していきます。
万が一当てが外れた場合の在庫の処分の方法を今のうちから決めておくことをお勧めします。
金融機関も忙しい
12月は師走と呼ばれるだけあって、誰もかれもが忙しい時期となります。
それは金融機関も同じであり、急な融資の申し込みでは間に合わなくなる可能性があります。
金融機関は決算の締めである、9月と3月に忙しくなりますが、12月も忙しくなります。
金融機関によっては15日までに申し込みを済ませないと、実行をしないというところもありますので、11月の下旬の今が最終のラインと言えます。
融資の申し込みは遅くても11月中に済ませる
資金繰りの確認→融資の申し込み→審査→実行
の流れになりますが、順調にいって2週間程度を要します。万が一断られた場合、次の手を打つ時間が無くなってしまいます。
遅くとも11月中に借入の申し込みを済ませてしまいましょう。
回収の見込みがあればお金は貸してもらえる
業績が思わしくなかったり、保証協会の枠を限度額いっぱいまで借りてしまっている場合、なかなか新規の融資を行ってもらえません。
そんな時は、売上回収が確実である証拠を用意して短期でつなぎ資金の融資をお願いします。
必要とされる証拠資料は金融機関により違うと思いますが、売買契約書があれば一番です。
とりあえずつなぎ資金を融資してもらい、急場をしのぎます。
多少の余裕があっても、借りておくことも選択肢としてある
自社の資金繰りが大丈夫としても、相手のあることなので何があるかわかりません。
もし借入の枠に余裕があるのであれば、保険の意味も込めて借入をしておくのもひとつと考えます。
何もなければそれに越したことはないですが、何かがあったときにはその対応に追われてしまい、その他のことに手が回らなくなることもあります。
一次的にでも資金を厚くしておくことは精神的にも余裕が生まれますので、検討されることをお勧めします。
つなぎ資金も無理ならリスケをお願いする
つなぎ資金の融資も断られた場合は、リスケの依頼をします。
計画作成の時間がない場合、最悪金融機関に丸投げしてでもしのぎます。
初めてのリスケであれば、よほどのことがない限り応じてくれると思います。
まとめ
年末年始はなにかと忙しい時期となります。
感覚でこれまで経営をされてたとしても、念を入れて資金繰りの確認をすることをお勧めします。
自社だけでなく、取引先も何かと忙しく資金需要が必要な時期なので、万が一のことが起きても大丈夫なように手当てをしておくことが大事です。
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末信 公平
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