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資金繰り改善の方法は4つの支出の見直しから始める

2021/10/14
 
この記事を書いている人 - WRITER -
経理の専門学校卒業後に食品製造会社に入社。主要取引先の倒産、メインバンクの破綻等を経験。工場運営改善など行い、過去最高益への貢献を果たす。その後、洋菓子製造小売業を経てアパレル関連会社へ転職。自身の経験を活かし、資金繰り改善を中心とした支援を行うため、中小企業診断士として独立。

経営が苦しくなると言う事は、端的に言えば資金繰りが苦しいという事です。

お金が回っていれば何とでもなりますが、たとえ会計上は黒字でも、お金が回らなくなった時点で事業は終わりです。

その為、「事業の立て直し=資金繰りの改善」といえます。

(この記事は2018年5月24日の記事に加筆修正したものです)

 

売上が上がっても資金繰りが良くなるとは限らない

資金繰りを改善するには売上を増やすのが一番と思っていないでしょうか?

もちろん売上が増えると資金繰りは改善しますが、売上を増やすまでの仕込みの時間とかかる経費(投資)、売上が上がってからお金を回収するまでの時間、と時間がかかります。

このことが、売上を上げることで資金繰りを改善させるのが困難となる理由です。

 

売上が増えて現金化するまでの時間が重要

例えば、売上をあげるのに、何らかの施策をするとします。

チラシを撒くとか、営業の訪問回数を増やすなど、比較的すぐにできそうなことをするとします。

この施策を行って売上が上がるまでの期間が必要になります。

チラシを撒いたり、訪問回数を増やしてお客さんに知ってもらい、そこから信頼関係を築いていく。

ようやく少しの注文をもらって売上が上がる。

飲食店のようにすぐにお金を払ってくれる場合ならいいですが、掛け売りをしているような業態では、さらに入金まで時間がかかります。

 

この1サイクルに時間がかかっている間に、どんどんと資金が減っていき、ますます窮地に陥ります。

売上を伸ばして資金繰りを改善させるには、現金に変わるまでの期間、しっかりと資金繰り計画を立てる必要があります。

少なくとも、日ごろから資金繰り表すら作れていない会社では、計画倒れになりがちなのでお勧めしません。

もちろん、本格的に資金繰りを改善させるためには売上を上げる必要がありますが、取り組む優先順位としては一番ではありません。

 

黒字倒産と聞くことがあるかと思いますが、これは入金より支出が先に立ち、資金繰りが回らなくなって倒産することを意味します。

黒字だからと言って、いくらでも金融機関が融資をしてくれるわけでもありません。

金融機関の忠告を守らず拡大路線を突っ走り、倒産してしまったケースもあります。

 

まずは出血を止めること

ケガをして出血があれば、まずは止血の処置が施されます。

会社も同様に、お金の出血を止める処置を行います。

お金の出血を止める措置をまず行わなければ、どんなに素晴らしい処置をしたところで効果が限られるからです。

バケツに水を貯めるのに、穴が開いていたらいつまでたっても水は貯まりません。

まずは出血を止めることが先決です。

 

支出額を売上に見合うまで圧縮させる

資金繰りが悪化する理由の大きな原因の一つとして、「売上に見合わない支出」があげられます。

リーマンショックやコロナウイルスの影響で突然売上が下がるなどの急激な経営環境の悪化による資金繰りの悪化や、なんだかダラダラと売上が下がっていっている場合の資金繰り悪化と二つのパターンがあります。

突然の経営環境悪化に見舞われた場合は、その分対応もしやすいでしょう。

また、コロナウイルスや災害等であれば国からの支援も受けることができます。

ダラダラと売上が下がって資金繰りが悪化している場合は、経営者の胆力によるところが大きいです。

 

「ゆでガエル」になってはいけない

カエルを熱湯のなかに入れると熱くて飛び出しますが、水の中に入れて徐々に熱すると熱さに慣れ、そのままゆであがってしまうというお話です。

ありそうな話ですが、実際には熱くなる前に飛び出して逃げてしまうそうです。

このお話は、「周囲の環境変化に気づかないまま衰退してしまう企業」の例えとして使われます。

主には「経営者は周囲の環境変化を感じ取り、過去の栄光にすがりつかずに変革を起こしましょう」とわかってもらうための比喩です。

 

わかっちゃいるけど変えられない

売上がじりじりと下がっている状態のとき、逆に思い切ったことはできなくなるものです。

人間の心理として、過去の経験を変えるという事は相当ストレスがかかるようになっているからです。

なまじ成功体験のあるリーダーの場合、過去の成功体験を引きずりやすく、また、周囲から率直な意見を言われない立場である場合、従業員を責めて終わりと言うパターンを多く見かけます。

自分以外の責任と思っている間は、残念ながら間違いなく経営が良くなることはありません。

 

ただ、環境の変化はわかっているけど、心情的にどうしても変えられない気持ちも理解できなくはありません。

それほど変えるという事は、他人が言うほど簡単ではないという事です。

 

とは言え、収入に比べ支出が多い状態が続けば、必ずどこかで潰れてしまいます。

ですので、何らかの手を打つ必要があります。

 

経営悪化で優先的に止める支出

経営悪化で、優先的に止める支出は

  1. 経営者の給与
  2. 積立保険など将来の備えのための支出
  3. 使っていないサービス、やめても支障がないモノ
  4. 購入先の見直し

となります。

 

いったい収入と支出の差がゼロになるのはいくらか計算する

まず取りかかることは、売上に見合った支出にすることです。

いつか回復するだろう、節約するのは気が縮こまって嫌だ、などという感情にはいったん蓋をして、売上に見合った支出はいくらかを計算します。

 

赤字の場合はゼロになるには、いくら支出を削減すればいいのかを計算します。

もし借入金の返済がある場合は、借入返済額も支出に含めて計算します。

 

ここでの計算は、決算書や試算表の損益計算書ではなく、キャッシュフロー計算書の考え方です。

平たく言うと、資金繰り表のことです。

 

最も手軽にできる収入金額の算出は、「利益+減価償却費」となります。

この、「利益+減価償却費」は現金としていくら増えるのか(減るのか)の簡易的な計算になります。

 

経営者の給与を減らす

資金繰りが苦しくなれば、多くの経営者は自分の給与を減らしていると思います。

もし、まだ手を付けていないようであれば早急に減らし、資金繰りの改善を図ります。

今一度、自身の生活費の見直しと個人の預貯金などを考慮して、どれくらいまでなら下げれるのかを計算します。

このように、経営者は業績が良い時から万が一に備え、個人の資産を築いておくことが必要です。

 

積立保険などの見直し

業績が悪化しているのに、いまだに積立保険を続けている会社をたまに見かけます。

にも関わらず、借金をしてでも保険を払っているパターンも見かけるので、何をしているのか疑問に思ってしまいます。

 

大体の場合は、積立保険を実施した動機は節税と思われます。

満期の時期を、経営者の退職の時期に合わせ節税対策として導入していることが一般的です。

ただ、節税対策とは言え、結構ギリギリまで保険をかけていたりする場合もあり注意が必要です。

保険屋や税理士等のの口車に乗せられることなく、保守的に見積もるくらいでスタートすべきと考えます。

十分に資金が貯まっている状態であれば問題はないですが、目先の節税のために目いっぱい保険金額を決めるのは得策ではありません。

 

資金繰りが苦しくなったら、たとえ元本割れになるとしても解約を検討すべきです。

積立保険の範囲内での借入も可能ですが、結構な金利を取られますので、ずるずると借り続けることが無いようにする必要があります。

 

意味のない支出は真っ先に辞める

経費の削減は進めていると思いますが、一つ一つ支払いをリストアップしていき、優先順位の低いものは思い切って解約していきます。

これまでの効果や、結果が出るまで時間のかかるものなどは、支払いの優先順位は下がります。

交際費などは業種によっては重要な部分かもしれませんが、売上が下がっているのは交際費の効果が無いという事かもしれません。交際費を使うにしても、効果のある使い方が必要です。

これまでの考えの延長からだと、すべてが大事に見えてきますが、発想の転換をすることも必要です。

代替で可能なものはないのかを考えたり、一度やめてみて、問題が出ればすぐに再開するなどを考えて、資金繰りを改善させることを優先させます。

 

購入先を見直す

これまでの付き合いから、同じように購入をしているモノもあると思います。

当然長年の付き合いなので、相手の事を考えると心苦しかったあり、気心が知れているので安心だったりします。

しかしながら、自社の存続の方が大事でもあるので、一度購入先を変えることによってどれくらいのコスト削減になるのかを検討します。

その上で、続ける続けないを決めても遅くはないです。

 

減らしてはいけない経費を見極める

中には減らしてはいけない経費があります。

それは、将来への投資につながる部分です。

広告費であったり、必要な教育費であったり、開発費が当たります。

効果がすぐに表れにくいものほど削減対象になりますが、将来への投資をおろそかになるとますます売上が減ることにつながります。

この、目に見えない資産を作ることが業績回復には必要となります。

ただ、これまでと同じような使い方ではなく、同じ100万円を使うのであれば、効果が高い使い方に切り替えていきます。

全ての経費にも言えますが、限りある資源をいかに有効に使うかが重要となります。

 

借入金の返済を止める(リスケ)

様々な支出の削減をしたけれど、まだお金が減ってしまう状況の場合、次に検討するのは借入金の返済を止めることです。

この、借入金の返済を止めること、返済を猶予してもらうことをリスケと呼びます。

最近では、よっぽどの事がない限りリスケには応じてもらいやすい環境です。

ただし、リスケをしてしまうと新たな資金調達ができなくなります。

建設業や製造業など、原料の仕入や人件費など先にお金が必要になるような業種の場合は注意が必要です。

 

人件費に手を付けるのは一度だけ

ここまでしてもまだマイナスの場合は、いよいよ人件費の削減を検討します。

 

人件費には決して手をつけてはいけないというコンサルタントもいます。

しかし私は、一度だけなら大丈夫と考えます。

当然社員は不満に思うでしょう。辞める人もいるかもしれません。

しかし、社員にも業績不振の責任があります。

経営者が悪くて自分たちは間違っていないと思っている人も多いでしょう。

ただ、いつまでも上がらない給与、ほんの少しの賞与をもらったところで不満に思うのには変わりません。

それであれば、一回限り、早期に元に戻す条件で下げることは悪いことではありません。

多くの社員は、自らが勤めている会社の業績が回復することを望んでいます。

 

気を付けるポイントとして、人件費を下げるにあたり、しっかりと現状を伝え、経営者自身が自ら反省すべき点は反省をし、協力を求める姿勢で臨みます。

人件費に手を付ければ、やる気のある社員とそうでない社員が浮き彫りになります。

やる気のある社員を味方にして改革を進めていきましょう。

 

資金繰り改善には強制積み立てを行う

毎月支払いがあるものに対しては注意を払いやすいので、日ごろの資金繰り計画に入っていると思います。

年に1回しか払わないものや突発的な支出への対応はあらかじめ積み立てを行っておきます。

具体的には、毎月一定額を決済口座以外に移します。

同一口座の場合は使いやすい状況と言えますので、強制的に別口座に移しておきます。

 

ただ、通常でもギリギリまで切り詰めているのにさらに積み立てを行うのはなかなか大変です。

融資をいつでも受けれる状態であればまだいいですが、業績が下降している会社に対しては、いつ態度を変えられるかわかりません。

その為にも、あらかじめ積み立てをすることが必要です。

積立が困難な場合は、経営陣の報酬を一時的に未払にしてでも貯めておきます。

無事に支払いが済んで残ったときに、経営陣へ支払うことで対応します。

 

手元に一定のお金があると、心理的余裕も生まれ、経営の打ち手も広がります。

その為にも、強制的な積み立ては有効です。

 

まとめ

資金繰りの改善には、まずは出血を止めることからはじめます。

理由は、即効性のある効果だからです。

そして、時間の猶予を持った時点で、戦略の見直しを行い、売上増の対策に取りかかります。

順番を間違えるとかえって悪化させてしまう事に注意する必要があります。

 

現状を認め変えていくのは大変困難です。

しかし現在は、変えていかなくては生き残りもままならない環境です。

その一歩として、収支を合わせ、強制的に積み立てを行い基盤を強化させます。

タネ銭があれば打ち手は広がります。

コツコツと地味なことですが、やるかやらないかで大きな差がつきます。

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末信 公平

中小企業診断士/認定経営革新等支援機関/ファイナンシャルプランニング技能士2級中小企業庁委託事業ミラサポ専門家登録/神戸商工会議所外部専門家登録/公益財団法人ひょうご産業活性化センター経営専門家登録/公益財団法人兵庫県勤労福祉協会ひょうご仕事と生活センター外部相談員登録/兵庫県中小企業診断士協会・大阪中小企業診断士会会員/ NPO法人ファザーリング・ジャパン関西会員
経理の専門学校卒業後に食品製造会社に入社。主要取引先の倒産、メインバンクの破綻等を経験。工場運営改善など行い、過去最高益への貢献を果たす。その後、洋菓子製造小売業を経てアパレル関連会社へ転職。自身の経験を活かし、資金繰り改善を中心とした支援を行うため、中小企業診断士として独立。
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経理の専門学校卒業後に食品製造会社に入社。主要取引先の倒産、メインバンクの破綻等を経験。工場運営改善など行い、過去最高益への貢献を果たす。その後、洋菓子製造小売業を経てアパレル関連会社へ転職。自身の経験を活かし、資金繰り改善を中心とした支援を行うため、中小企業診断士として独立。

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