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【資金繰り】資金繰り改善の為の財務的対策10の方法

【資金繰り】資金繰り改善の為の財務的対策10の方法

経営者にとって、経営の3大悩み(カネ・ヒト・時間)の一つとも言える資金繰り。

 

一つ間違えれば会社が倒産してしまうのではないかという恐怖から、資金繰りが苦しい経営者は四六時中お金の事を考えてしまいます。

信頼できる財務担当者がいれば、資金繰りの悩みを共有してもらえるので少しは気が楽になるかもしれません。

ですが、多くの中小企業の経営者にとって、案外そのような人物はいないものです。

そのため、どうしても経営者一人でお金の悩みを抱えてしまいます。

そして、お金の事なので、どうしても近視眼的に捉えがちになります。

私も経営者でもありますが、事業をゼロから始めた頃は収入もなく、すぐに収益をあげることができた訳ではありません。

そのため、お金の事を考えてしまう気持ちはよくわかります。

また、当社のお客様も同じように一人で抱えていた方も多かったです。

 

しかし、やみくもに策を探して講じても、成功の可能性は高まりません。

資金繰りで悩んでいる状態とは、頭の中でぐるぐるとお金のことを考えているのではないでしょうか?

 

まずは状況を客観的に整理することからはじめる。

それが、資金繰りが苦しいと悩んだ時の対策の第一歩です。

 

資金繰り表で足りない数字を「いつ」「いくら」なのか把握する

状況を客観的に整理するとは、どのような事でしょうか?

それは、お金が足りなくなる(資金ショート)するのはいつなのか?を客観的に知る事です。

私も資金繰り支援の業務に着手する際は、状況の把握から始めます。

 

お金が足りなくなるのは、1週間後なのか1か月後なのか、それとも3カ月後なのか?

そして、その足りない金額はいくらなのか?

目の前を乗り切ればその後は問題ないのか?それとも何度もお金が足りなくなる状況なのか?

おかれている状況により講じる策が異なってきます。

もし、この段階で「資金繰り表」を作成していない場合は早急に作成しましょう。

【資金繰り】資金繰り表の作り方3つのポイント

 

資金繰り悪化の原因分析をして、すぐに解決できるかどうかを判断する

資金繰りが苦しい状況で今月の資金繰りが苦しいのであれば、「月別」ではなく「日別」、いわゆる「日繰り表」を作成するのが良いでしょう。

3か月後など月単位で知りたい場合は、まず「月別」で作ります。

そして、資金繰りが苦しくなる原因はいくつかありますが、原因にはすぐに解決できる問題とすぐに解決問題に分かれます。

すぐに解決できる原因は速やかに対処し、すぐに解決できない問題は中長期的に改善策を講じます。

 

では、資金繰りの対策方法としてはどのようなものが考えられるのでしょうか?

対策には、メリットデメリットがあります。

デメリットが少ない対策ほど、効果が小さい、時間を要す、実行まで困難、であったりします。

逆にデメリットが大きいものは即効性があります。しかし、その分副作用も大きいです。

使いどころを間違えれば、ますます状況を悪化させかねず、中長期的にみて資金繰り改善の時間を要します。

【まとめ】資金繰りを改善する8つの方法|融資・リスケ・業績向上

 

資金繰り改善の為の財務的対策10の方法

ネットで調べればいくつもの対策が出てきます。

中にはアフェリエイト目的やサービス利用目的のサイトも混じるので、一体どれが良いのか、わからなくなりがちです。

ここでは、私が検討する10の方法を挙げます。

 

① 融資(銀行・信用金庫・日本政策金融公庫 など)

借りれる状況であれば、融資を受けるのが良いでしょう。

融資を受ける余力があれば比較的スムーズに資金が調達できます。2週間程度をみておけばいいと思います。

余力が無い場合は逆に時間がかかります。

担当レベルで難しいなと思われる状況であれば、早い段階で「融資をするのが難しい案件」と伝えてもらえます。

 

② 役員借入金

経営者個人の余力や、キャッシング枠の範囲内で足りるのであれば即効性は高いです。

キャッシング枠を利用して個人で借り入れを行う場合は金利が高いので、後々大変になります。

恒常的に借りることは避けたほうが良いでしょう。

 

③ 役員報酬カット(未払い)

経営者個人のお金はないけれど、役員報酬をカットできる余地があればデメリットが少なく、即効性が高いでしょう。

反面、元々役員報酬自体が少ない場合、支出を抑えられる金額も小さくなりますので、他の方法と組み合わせを検討することになろうかと思います。

 

法人の場合、基本的には役員報酬を勝手に下げることは出来ません。

業績悪化を理由に減額することは可能ですが、手続き気を踏む必要があります。

国税庁 役員給与に関するQ&A 

https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/hojin/qa.pdf

役員報酬そのものを減額する場合は、顧問税理士や税務署で確認することをお勧めします。

 

一方、役員報酬はそのままで、現金の受取をせずに未払金として残しておく方法もあります。

一時的に実施するなら、まずは未払金計上の方がよいでしょう。

こちらも、会計上は経費として計上できますが、未払の場合は税法上損金として認めないこともあるそうなので、顧問税理士や税務署に確認をとるほうがベターでしょう。

 

④ 事業者カードローン(銀行・信用金庫)

事業者カードローンは、簡単に言えば銀行や信用金庫が発行するカードローンになります。

金利が高いので、後々まで利息負担で資金繰りが好転しにくくなります。

そのため、恒常的に借りることはお勧めしません。

 

⑤ 返済猶予(リスケ)

融資の返済が負担で、当面の運転資金を確保できるのであれば、金融機関への融資の返済を減額、もしくは0にするリスケジュールは有効な手段となります。

近年では比較的容易に金融機関も応じてくれますし、むしろ勧められることもあります。

 

しかし、返済猶予(リスケ)は容易にできるようになった分、注意が必要です。

最大のデメリットは、返済猶予(リスケ)をしてしまうと新規の借入が絶望的になります。

そのため、建設業のように先に経費などの支払いがあり、後から売上の入金になるような業種の場合、せっかくの新規受注をしても資金不足で受注を見送ることも発生しかねません。

資金繰り表を作成して、返済猶予(リスケ)をしても資金繰りが回るか?のシミュレーションをしっかり行う必要があります。

 

⑥ 資産売却

遊休資産の売却ができるのであれば、資金調達の方法の一つに上げられます。

ですが、資産を担保に入れている場合は注意が必要です。

また、売却を考えてから入金までは比較的長期化すると考えられますので、即効性は劣ります。

 

⑦ ビジネスローン

いわゆるノンバンクからの借り入れです。

デメリットは、金利が高い(年利10~15%)こと、信用情報が毀損され金融機関側からすると好ましくなく映ることです。

こちらも金利が高いので、後々まで利息負担で資金繰りが好転しにくくなります。

恒常的に利用することはお勧めできません。

 

⑧ ファクタリング

ファクタリングとは簡単に言えば、売掛債権を売却して現金化することです。

1回当たりの手数料として8~10%ほどかかりますので、調達コストはかなり高いです。

こちらも恒常的に利用することはお勧めできません。

 

⑨ 取引先への支払い猶予

最終手段に近い方法と言えます。

デメリットは、取引が停止されたり不利な条件になったりと、必要な仕入れができなくなるリスクがある事です。

必要なものを売ってもらえない状況は、事業の継続に大きな支障をきたします。

日頃からの関係性も含め、かなり慎重に取り扱う手段です。

基本的には使いたくない、最後の手段と言えます。

 

⑩ 給与支払い猶予

給与支払いの猶予は、可能な限りできれば避けたい方法です。

従業員側の不信をかなり招くと考えて間違いありません。

従業員は毎月の給与をもらえるからこそ、経営者に従っていると言っても過言ではないです。

日頃からの従業員との関係性によりますが、プラスに働くことは皆無でしょう。

協力者である従業員のモチベーションが著しく低下しかねませんので、再建の難易度が跳ね上がります。

 

根本的対策を講じる

財務的対策で処置を行い時間の猶予を得た後は、根本的対策を講じます。

資金繰りがそもそも悪化している理由を正確につかむ必要があります。

恐らく経営者の頭のなかでは当たりはついているでしょう。ですが、数値的に語れるところまでできていない場合、客観的に考えることができるように分析するところから始めます。

その理由としては2つ。

一つは自身で納得した施策を打つため。

もう一つは、協力者に納得してもらうため。

協力者とは、金融機関などの外部関係者はもちろんですが、従業員なども含まれます。

資金繰りが悪化した根本的問題を解決しなければ、いくら財務的対策を講じても意味がありません。

そのため、改善策を遂行する際に協力してもらう人々に納得感を得てもらえるように、原因の分析とそれに基づいて考えられた解決策が必要となります。

 

資金繰りの財務的対策は一長一短

資金繰りの財務的対策は一長一短があります。

メリットばかりに目が行ってもダメですし、デメリットやリスクばかりを気にしていても先に進みません。

今回は10の施策をあげましたが、置かれている状況や業種によって、ベストな打ち手は異なります。その企業ごとに条件が異なるため、A社でベストな事でもB社では違うと言う事やよくあります。

そのため、面倒で遠回りと思うかもしれませんが、置かれている状況を把握して、自社にとって「ベストと思う打ち手を納得して下せる」ようにすることが一番大事と考えます。

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