売り上げ目標の決め方は「逆算」で求め、分解して考える

金融機関に融資を申し込むときなど、数値計画を提出する場面があります。
しかし、どのように予測の数字をたてればいいかわからない。
必要な数字をどのようにして入れればいいかわからない。
このようなときは、逆算で考えると必要な金額がわかります。
目次
逆算で考えれば必要な売上高がわかる
損益計算書は通常上から下に作成していきます。
売り上げがあり、その下に原価を差し引いたものが粗利。
粗利から経費を引いたものが営業利益。
と、ルールに沿って売上から費用を差し引いて作成するものです。
目標利益に必要な売上高を計算する
目標利益に必要な売り上げを算出するには、損益計算書の下から考える方法があります。
必要な利益から逆算して、売上高を算出します。
例えば年間に必要な利益が100万円だった場合、年間に必要な経費額を足します。
経費額が200万円であれば、必要な粗利は300万円となります。
原価率が60%(粗利率40%)であれば300万円÷40%と計算して、必要な売上高は750万円となります。
これを通常の計算から見れば
売上750万円×粗利率40%=粗利300万円
粗利300万円-経費200万円=利益100万円
となります。
750万円の売上があれば100万円の利益が確保されてますね。
必要な利益はいくらにすればいい?
では、必要な利益はどのように計算すれば良いのでしょうか。
実際には法人税や所得税の計算もありますが、ここでは便宜上無視します。
法人の場合であれば、貯めておきたいお金の金額+借入金の返済+(配当金)となります。
個人事業主の方であれば、上記にプラスして自分の生活費となります。
最低でも借入金の返済額を利益としてなければ、現預金の残高が減っていくことになります。
必要な利益は会社によって異なりますが、利益で返済原資を確保する必要がある、新しい機械購入の頭金を貯めたいなど、個々の状況に合わせて目標を設定することになります。
必要な売上の金額を分解して考える
売上の数字はどのようにして成り立っているのか?
最も簡単な分解は、「売上=客数×客単価」となります。
そして客数、客単価もさらに分解して考えることができます。
客数は、「客数=既存客+新規客-流出客」となります。
客単価は、「客単価=商品単価×買上点数」と分解できますし、「客単価=1回当たり購買金額×購買回数」とも分解できます。
また、1回当たり購買金額は「1回当たり購買金額=購買点数×商品単価」となります。
分解して出てきた要素から戦術を考える
売上を上げるためには色々な方法がありますが、その要素を分解して見るとよりハッキリ何をしたら良いかが見えてきます。
客単価を上げようとするのか客数を増やそうとするのか?
客数を増やすのでも、新規客を増やすのか流出客を減らすのか?
どの打ち手が最善なのかは、その会社が置かれている状況や周りの環境でも変わってきます。
よく見られるパターンとして、売上を上げるために客数を増やす努力をしているのですが、新規客ばかりに目がいってしまい、流出客の事を考えていないことがあります。
これも分解して考えてみれば、どの打ち手が最も効果的かが見えてきます。
すぐに正解の打ち手にたどり着かなくても、分解して考えているので仮説と検証が行いやすくなり、経験がノウハウとして蓄積されます。
まとめ
どのようにして売り上げを上げていくのか?
それは、必要な利益額から逆算して考えるとわかります。
そして、算出した売上はどのようにして達成させるのか?
いちど売上を分解して考えてみると、より具体的に施策を考えることができます。
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末信 公平

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