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【起業・独立】中小企業白書から読み取る起業後の実態と課題

【起業・独立】中小企業白書から読み取る起業後の実態と課題

中小企業白書2017年版では、企業の成長タイプを高成長型、安定成長型、持続成長型に分けて実態と課題を調査しています。

中小企業白書2017年版

起業後の実態と課題

仕事に対する満足度

実際に創業した人はどのように感じているのかは気になるところだと思います。

起業前から順番に、創業期、成長期、安定・拡大期に当てはまる起業家に対してのアンケートがまとめられていました。

(図表1 成長段階別に見た仕事に対する満足感)

起業前 創業期 成長初期 安定・
成長期
仕事の自由度や裁量 28.4% 67.5% 65.8% 76.6%
仕事のやりがい・達成感 39.9% 67.5% 65.6% 75.1%
業務内容 36.1% 56.6% 53.5% 65.9%
社会的評価 29.0% 47.0% 42.7% 55.3%
仕事と生活の調和 21.3% 42.2% 39.8% 46.5%
収入 25.4% 20.7% 17.0% 44.3%

(資料 中小企業白書)

この表を見ますと、起業前に比べて創業期、成長初期、安定・成長期で満足度が高まっています。

唯一、収入だけは起業前に比べて創業期、成長初期を下回っていますが底を乗り越えると大きく満足度が高まっています。

また特徴的なのは、創業期のあとの成長初期はすべての項目で満足度が創業期を下回っています。これは事業を営んでいくうちに様々な課題がでてくることでいったんは満足度が下がっているものと考えられます。

しかしそこを乗り越えると、案的・成長期には全ての項目で創業期、成長初期を超える満足度が得られる結果となっています。

起業をすると忙しくて生活が犠牲になるのではと考える人も多いと思いますが、起業前に比べて満足度が2倍に増えているところを考えると、やり方次第で仕事と生活の調和がとれることが読み取れます。

多くの起業した人が、起業前に比べて充実した日々を過ごされていると調査の結果からは感じ取れまず。起業に対して悩まれている方にとっては良い調査結果だったのではないでしょうか?

 

直面している課題

次に成長タイプ別に、各成長段階で直面している課題をみてみます。

(図表2 創業期の課題)

創業期の課題

 創業期の課題 高成長型 安定成長型 持続成長型
資金調達 58.5% 63.7% 59.2%
家庭の理解・協力 37.3% 43.9% 39.9%
事業や経営に必要な知識・ノウハウの習得 39.8% 39.6% 34.1%
質の高い人材の確保 26.3% 32.9% 26.6%
販路開拓・マーケティング 32.2% 25.9% 26.5%
自社の宣伝・PR 28.8% 22.2% 25.2%
量的な労働力の確保 16.1% 24.8% 19.7%

(資料 中小企業白書)

創業期の課題で最も高いのは「資金調達」となっており、次に「家庭の理解・協力」「事業や経営に必要な知識・ノウハウの習得」と続いています。

創業期では半数の起業家がお金に関する課題を抱え、創業期なので家庭の理解や協力が十分に得られていないことが考えられます。また、起業を始めてみて、まだまだ事業や経営に必要な知識やノウハウが不足していると感じているようです。

 

(図表2 成長期の課題)

成長期の課題

成長期の課題 高成長型 安定成長型 持続成長型
資金調達 56.1% 49.2% 46.5%
質の高い人材の確保 50.9% 57.6% 43.2%
量的な労働力の確保 42.1% 42.1% 31.3%
販路開拓・マーケティング 33.3% 28.3% 32.4%
自社の宣伝・PR 27.2% 26.4% 28.3%
事業や経営に必要な知識・ノウハウの習得 26.3% 23.3% 25.3%
製品・商品・サービスの競争力強化 20.2% 23.6% 23.8%

(資料 中小企業白書)

成長期の課題で高いのは「資金調達」と「質の高い人材確保」となっています。続いて「量的な労働力の確保」となり、創業期とは異なった新たな課題が出てきています。

お金に関しする引き続き課題の順位が高いですが、経営者自身の課題は解決されたようで、人材の確保が新たな課題として上位に来ています。

組織の充実の段階が課題の中心になってきており、この課題を解決できるかどうかが、企業として成長できるかどうかの分かれ目になると考えます。

近年では人材の確保にどの企業も頭を悩ませていますので、早い段階から人材確保に関して考えておく必要があると思われます。

 

(図表3 安定・拡大期の課題)

安定・拡大期の課題

安定・拡大期の課題 高成長型 安定成長型 持続成長型
質の高い人材の確保 57.7% 68.1% 53.8%
起業の成長に応じた組織体制の見直し 42.3% 45.3% 32.7%
量的な労働力の確保 35.1% 37.0% 29.1%
資金調達 31.5% 30.8% 32.4%
新たな製品・商品・サービスの開発 35.1% 32.8% 30.5%
販路開拓・マーケティング 27.9% 27.4% 29.2%
製品・商品・サービスの競争力強化 29.7% 26.0% 25.3%

(資料 中小企業白書)

安定・拡大期にはいると「質の高い人材の確保」「起業の成長に応じた組織体制の見直し」が上位となります。その他は、ほぼ変わらず「量的な労働力の確保」「資金調達」「新たな製品・商品・サービスの開発」と企業により課題も様々になるようです。

さらなる成長のためには人材の確保と組織体制の見直しが不可欠と読み取れる結果です。

資金調達に関しても30%の企業は課題としてあがっていますので、ヒトとカネに関する課題はしばらくは無くならないようです。

ヒトとカネの課題をクリアした企業は、さらなる成長を図れると言っても良いのかもしれません。

 

まとめ

起業をすると、さまざまな満足度が起業前に比べて格段に上がる結果が示されています。

確かにリスクもありますが、人生の充実を考えるうえで、起業はひとつの選択肢となるようです。

起業後は、成長ステージにより課題が次々と変わっていくことも調査結果から読み取れます。

起業を始める段階から先手を打った施策を行うことが、成長を早める結果となるかもしれません。

特に、ヒトとカネに関する課題はついて回りますので、どのようにすれば有能な人が来てくれるのか考え、資金の調達は日ごろから準備をしておくことが重要と言えそうです。

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