リスケ(返済猶予)交渉時に提出する資料は、ウソをついてはいけない

ウソはどこかでバレます
リスケ(返済猶予)交渉時に、4つの資料が必要というお話をしました。
- 資金繰り表
- 直近の合計残高試算表
- 経営改善計画書
- 金融機関別融資取引内訳表
です。
あとは、これまでに提出をしていなければ
- 決算書
が必要となります。
粉飾決算をしていらた、正直に伝える
これまで粉飾決算をしていたら、これを機に正直に話しをしましょう。
金融機関側から指摘をされれば素直に認め謝罪をします。(何せウソの報告でお金を借りていたのですから)
ここでウソをついても、さまざまな資料を提出するので、どこかでバレる危険性が高まります。
ウソにウソの資料を作成する羽目になり、労力も膨大となるので、この時点で正直に話す方が良いです。
当然、ウソがばれると信頼関係を損ねます。何度もお話に出てきていますが、リスケをすること自体がすでに約束を守れていないという状況で、さらにウソを隠していると、ただでさえ失われた信頼関係がますます損なわれます。
計画書を作成するにしても、決算書がベースとなるので辻褄が合わなかったりしてくるので、修正した正しい数字をベースに計画を作成します。
ちなみに、我々外部の専門家が作成するときは「実態バランス」と呼ばれる修正を行い、修正を行ったうえで計画を作成します。それでなければ計画書の信ぴょう性が低く金融機関が納得してくれないからです。
決算書を並べてみれば怪しいところはわかりますので、追加の資料の提出などを求められ、そこで発覚することもあります。
経営改善計画書も、できないことは書かない
経営改善計画書も、できもしないことは書かないことをお勧めします。
進捗状況を確認されて、半年後の再リスケ交渉時に不利になります。
一回目の計画書からしっかりとしたものを手堅く作成し、最低でも80%の達成をクリアすることが重要です。
しっかりした金融機関ほど、できもしない計画書に対して厳しく指摘をしてきます。
なるべく証拠を付して、信ぴょう性を高めます。
目先のリスケだけを優先するのではなく、しっかりと事業の立て直しを図る上でも、経営改善計画書の作り込みを行います。
金融機関は基本的に「性善説」
なぜ、ここまでしつこくウソをつかないこと、信頼関係を損ねないことを言うのか。当然交渉なので、信頼関係が大事なのですが、金融機関の特性もあります。
金融機関は、基本的には「性善説」で仕事をします。逆にノンバンクなどは「性悪説」です。なので、金利が高くないとビジネスとしてやっていけないのです。0.3~5%程度の金利でお金を貸してくれるというのは、「性善説」だからこそのビジネスモデルと考えてください。
なので、ウソをつかれることを大変嫌います。
担当者も、その上司も、そのまた上司の支店長も、稟議書を書いて本店に決済を仰ぐ必要があります。これまでの報告が「ウソでした」となると、ウソを見抜けなかった担当者や、上司、支店長の責任にもなります。
味方になってもらうべき人を敵に回さない意味でも、ウソはやめるべきです。
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まとめ
金融機関は基本的に「性善説」です。
それ故に、ウソをついてリスケをすると後々に苦労します。
リスケは半年だけ乗り切ればよいものではなく、3年5年とかけて事業を再生させる第一歩です。
リスケをすることをきっかけとして、正直に誠意をもって交渉を行うことが重要です。
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末信 公平

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